はじめに
マドンナ(Madonna)こと、マドンナ・ルイーズ・チッコーネは、音楽史において最も成功した女性アーティストの一人として、ギネスにも登録されています。またその長いキャリアを多くのアルバムで彩ってきました。そんなQueen of Pop・マドンナの音楽の進化と偉業をスタジオ・アルバムごとに振り返ってみましょう(今回はベスト、サントラは含んでおりません)。
- Madonna (1983)
- Like a Virgin (1984)
- True Blue (1986)
- Like a Prayer (1989)
- Erotica(1992)
- Bedtime Stories(1994)
- Ray of Light(1998)
- Music (2000)
- American Life (2003)
- Confessions on a Dance Floor (2005)
- Hard Candy (2008)
- MDNA (2012)
- Rebel Heart (2015)
- Madame X (2019)
- 最後に
- 応援よろしくお願いします
- 「X(旧Twitter)」を開設しました!
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Madonna (1983)
マドンナのデビューアルバムで、マドンナのポップミュージックの歴史はここから始まります。このアルバムには「Holiday」や「Lucky Star」などのダンスポップの楽曲が収録され、若い世代から熱狂的な支持を受けました。デビュー曲である「Everybody」も収録。特に「Holiday」はマドンナのトレードマークとなり、彼女はポップスターとしてのキャリアを順調にスタートさせました。同曲は過去のライブのフィナーレとしてもよく使用されています。
Like a Virgin (1984)
セカンドアルバムで、タイトルトラックの「Like a Virgin」は大ヒット(Billboard Hot 100にてマドンナ初の1位及び6週連続1位を記録)し、彼女のスターダムを確立させる重要な作品になりました。「Material Girl」もこのアルバムからリリースされ、映画「紳士は金髪がお好き(1953)」からの1場面をオマージュした象徴的なミュージックビデオが話題となりました。個人的に「Like a Virgin」のカップリング曲でもある「Stay」はかなりオススメ。アルバムは累計で2100万枚のセールスを記録。
このアルバム収録曲の和訳はこちらから↓
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True Blue (1986)
このアルバムはマドンナにとって非常に重要なターニングポイントであり、ポップミュージックの歴史における名盤として高く評価されています。ヒット曲「La Isla Bonita」、「Open Your Heart」「Papa Don't Preach」「Live to Tell」などが収録されています。
より明確にメッセージ性の強い楽曲が並ぶようになるのもこの頃から。「Papa Don't Preach」では、ティーンの妊娠と親の反対についてのストーリーを語っており、当時社会的な議論を巻き起こしました。このアルバムで、マドンナはポップミュージックの女王として、そしてファッションと音楽のアイコンとしての地位を確立させました。また、前作を凌ぐ驚異の累計2500万枚以上のセールスを記録しています。
このアルバム収録曲の和訳はこちらから↓
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Like a Prayer (1989)
このアルバムは宗教的なテーマに焦点を当てたもので、タイトルトラック「Like a Prayer」や「Express Yourself」などが収録されています。アルバムは大胆で挑戦的なメッセージを持ち、「Like a Prayer」のミュージックビデオは宗教的なイメージや異端的な要素を含んでおり物議を醸しました。また同曲を使用したペプシのCMが放送禁止になるなど、その過激な表現は時に批判を浴びる対象に。1990年の第32回グラミー賞では、最優秀女性ポップボーカルパフォーマンス: 「Like a Prayer」、最優秀ミュージックビデオ(短編形式): 「Express Yourself」でノミネートされました。
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Erotica(1992)
このアルバムは、音楽とアートを融合させ、性的なテーマについて率直に表現した作品であり、マドンナのキャリアにおいて最も議論の的となった作品の一つ。このアルバムはその過激な方向性とアートワークにより、一部の批評家からは非難された一方で、ファンや一部の評論家からは高く評価されています。ハウストラック×マドンナの相性もぴったりで個人的にはオススメのアルバムですが、商業的には不作とされています。
またアルバムとテーマを同じくして、写真集「SEX」を出版します。あくまでアルバムを補完する立ち位置の写真集ですが、むしろアルバムよりも話題となったほど。写真集の内容は露骨で過激であり、一部の販売店や図書館では取り扱いを拒否することもあったレベル。それでも多くの書店で売り切れが多発する事態に。
しかし世間からはアルバム・写真集合わせてかなりの批判を受け、マドンナのキャリアを大きく後退させる事態となりました。
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Bedtime Stories(1994)
このアルバムは、前作の「Erotica」での官能的なイメージから一転し、より柔らかく感傷的なアプローチを取っています。アルバム発売前には「セックスシンボルを返上する」と宣言。前作の批判もありイメージ回復する狙いもあったと言えます。
アルバムはR&Bとヒップホップの要素・アンビエイトな雰囲気を含み、全体的に落ち着いた印象。収録曲である「Take a Bow」はアルバムからの2枚目のシングルでバラードナンバー。この曲は全米で7週連続でBillboard Hot 100の1位を獲得し「Like a Virgin」の6週1位の記録を塗り替えました。しかし商業的には前作と同様不作とされ、大きな改善はみられませんでした。
アルバムのタイトルトラックである「Bedtime Story」ではBjorkが楽曲提供。アンビエントでありながらエレクトロニックな要素も含み、ミュージックビデオでは少々不気味な雰囲気(目と口の位置が変わるなど)ですが、幻想的な映像美を特徴とし芸術的な評価を受けました。特にこの楽曲はアルバムの中でも異彩を放ち、当時の時代の一つ先を行く前衛的な楽曲であると同時に、2023年現在に聞いても古さを感じません。
また、マドンナのすごいところでもありますが、「セックスシンボルを返上する」と宣言したにもかかわらず、「Human Nature」などのミュージックビデオは意外と過激。譲れないところは譲らないマドンナ、カッコいい。
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Ray of Light(1998)
このアルバムはグラミー賞で複数の賞を受賞し、マドンナのキャリアにおいて最も重要な位置につく作品となりました。アルバムの制作にはプロデューサーのウィリアム・オービット(William Orbit)が主要参加し、アルバムは音楽評論家から高く評価されました。あのエルトンジョンもこのアルバムに関して高く評価しています。
音楽的にはテクノポップ、エレクトロニカ、トリップホップ、アンビエントなどのジャンルから影響を受けた作品であり、先鋭的で実験的。アルバムのテーマは精神的な成長、愛、希望などに焦点を当てており、マドンナ自身の個人的な変化(長男ロッコを出産し母親になる、宗教カバラの信仰)も反映しています。
また、このアルバムより前に映画「エビータ」に出演したマドンナ。その際に受けたボーカルトレーニングでより声の音域が広がり、アーティストとして更に成熟したマドンナを体感できるアルバムとなりました。全世界で約2000万枚を売り上げ、傑作アルバムとして語り継がれています。
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Music (2000)
ミレニアムに入ってリリースされた「Music」。タイトルトラックの「Music」は全米で4週連続1位を記録する大ヒットを記録。「What It Feels Like for a Girl」のミュージックビデオでは当時の夫「ガイリッチー」が監督を務め少々過激路線。主要プロデューサーには「ミルウェイズ(Mirwais Ahmadzaï)」を起用。アルバムの音楽的にはダンスミュージック、カントリー、ポップを巧みに組み合わせたものであり、新しいマドンナのイメージを確立させます。00年代からはサウンド・ヴィジュアル共に、今まで以上にマドンナのカメレオンぶりが明確に現れていきます。このアルバムは商業的に大きな成功を収め、多くの国でトップチャートにランクインしました。
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American Life (2003)
アルバムのプロデュースには、マドンナと前作に引き続き「ミルウェイズ(Mirwais Ahmadzaï)」が担当。アルバムはアコースティックな要素が大半を占め、物理主義とマドンナの人生観について語られている自叙的な内容。
タイトルトラック「American Life」のミュージックビデオは非常に過激で政治的なメッセージを伴うものでもあり放送禁止に。またアルバムジャケットはチェ・ゲバラ(政治家・革命家でキューバのゲリラ指導者)をイメージしていることや、同時多発テロ事件以降にリリースされたなど、いくつかの要素が重なり、反戦アルバムと誤解された経緯があります。そのため商業的には不作でしたが、アルバムを引っ提げたワールドツアー「Re-Invention Tour」は大成功したため、商業的には結果、成功したと言えます。
個人的に5本指に入るくらい大好きなアルバム。特に「American Life」と「Mother and Father」がオススメ。
小ネタを言うと、親交のあったエルトンジョンは映画「007」に起用されたアルバム収録曲「Die Another Day」をこき下ろし、エルトンジョンとマドンナの十数年に及ぶ長い長い確執が幕を開けます。
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Confessions on a Dance Floor (2005)
マドンナといえばこのイメージを思い浮かべる方は多いのでは?
このアルバムは明確なコンセプトを示さない一方で、全曲ダンスミュージックで統一、曲間はシームレスに繋がっており、マドンナのダンスミュージックへの回帰を示す作品です。ただApple Musicでは曲間はシームレスに繋がっていないのが残念(おそらくストリーミングではシームレスに繋がっていないかも)。
このアルバムはポップミュージック史上最多の世界40カ国で1位、アルバムのセールスは1200万枚を突破し大成功を収めました。
リードシングル「Hung Up」はABBAの楽曲「Gimme! Gimme! Gimme! (A Man After Midnight)」をサンプリングしており全世界で大ヒット。他にも「Sorry」や「Jump」などの名曲が誕生し、当時の若い世代をもファンに取り込み、マドンナは新たな黄金期を迎えます。ちなみに「Jump」のミュージックビデオは日本で撮影されています。
ワールドツアー「Confessions Tour」では当時の観客動員数や興行収入を大幅に塗り替えるほどの記録を打ち立て、13年ぶりに来日公演も行い話題となりました。
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Hard Candy (2008)
前作同様テイストは違ど、ダンスに焦点を当てたヒップホップ色の強い作品。前作の勢いのまま、世界36か国で1位を記録。
プロデューサーには「ファレル・ウィリアムス」や「ティンバランド」が主要参加。リードシングル「4 Minutes」は、ティンバランドとジャスティン・ティンバーレイクとの共演が話題となり楽曲は世界中で大ヒット。マドンナの若手との積極的なコラボで自身のイメージをフレッシュに保つセンスがここに現れています。
このアルバムを引っ提げたワールドツアー「Sticky & Sweet Tour」は史上最高(当時)の興行収入を記録するなど、アルバム・ツアー共に大成功を収めました。
賛否両論あると思いますが、個人的に一番好きなアルバム。「Give It 2 Me」や「Candy Shop」など、とにかくダンスしたくなるような曲が満載。
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MDNA (2012)
今度はEDMで統一されたアルバム。マドンナのカメレオンぶりには脱帽ですが、「MDNA」は前作「Hard Candy」からオールタイムベスト「Celebration」を挟んで約4年ぶりのリリース。
「Give Me All Your Luvin'」では「ニッキーミナージュ」と「M I.A.」を客演に迎えたリードシングル。さらにシングルカットされた「Girl Gone Wild」ではゴリゴリのEDMを披露。EDMといえばこれだよねっていうほどThe・EDM。とにかくマドンナとEDMの相性が良い。
また収録曲の「Masterpiece」ではゴールデングローブ賞を受賞。が、ここでもエルトンジョンと一悶着。まだ受賞前のこと、「マドンナが受賞する可能性はゼロ」とインタビュアーに語るエルトンの話を聞いたマドンナは「彼、ドレス着てた?喧嘩売ってるのかしら」などと直接対峙しないもののバトルが繰り広げられる事態に。そしてマドンナが受賞後、「マドンナがベストソング?ふざけるな!」(一部抜粋)とエルトンは当時のTwitterにポストするなど確執が続いていることが明るみに。
他にも「Super Bowl Halftime Show 2012」で往年のヒット曲「Vogue」や「Give Me All Your Luvin'」、LMFAOの楽曲「Party Rock Anthem」・「Sexy and I Know It」とマッシュアップした「Music」など記憶に残るパフォーマンスで多くの観客・視聴者を沸かせました。
このアルバムを引っ提げた自身の「MDNA Tour」は2012年の最高興行収入を記録し大成功しましたが、銃や暴力、ヌード、政治、人権など一部過激な表現がありしばしば批判の対象になるなど物議を醸した一面も。個人的には収録曲「Gang Bang」がオススメ。
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Rebel Heart (2015)
自己表現的なアルバムで、マドンナの反逆精神が色濃く表現された内容。音楽的には前作を引き継ぎエレクトロポップですが、ハウスなどの要素も含み、実験的な楽曲が並びます。アルバムリリース前に楽曲がリークされたためリードシングル「Living for Love」を含む7曲が先行配信されました。その中でも「Living for Love」は実際にリリースする予定だった完成形から、先行配信された(アルバムに収録されている)バージョンへ作成し直した経緯があります。
また収録曲の「Veni Vidi Vici Feat. Nas」や「Rebel Heart」など、マドンナのキャリアを振り返る内容が多く含まれていて、「え?マドンナもしかしてこのアルバムで引退するつもりなの?」と思わせるほど。実際は違いましたが、当時そう感じるほどの振り返り様でした。
「Bitch I'm Madonna Feat. Nicki Minaj」のミュージックビデオには、「ビヨンセ」「リタオラ」「マイリーサイラス」「ディプロ」「Jay-Z」などマドンナだからこそ集めることができる豪華ゲストが多数出演し、かなり話題となりました。
「Living for Love」のBrit Awards 2015では、ローブに引っ張られる形でステージ上に設置されていた階段から転倒。かなりの衝撃でしたがパフォーマンス続行、大きな賞賛を集めました。
このアルバムを引っ提げたワールドツアー「The Rebel heart tour」ではさいたまスーパーアリーナで2日間来日公演を行い話題に。これは記憶に新しいのでは?
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Madame X (2019)
このアルバムでは主にラテンの影響を受けた楽曲が並びます。シングル「Medellín」ではコロンビア出身の歌手「マルーマ」とのコラボレーションが話題になり、若手との積極的なコラボレーション、及びそのセンスは健在。プロデューサーには「Confessions on a Dance Floor 」以来14年振りとなる「ミルウェイズ」が参加。
マドンナは「Madame X」というキャラクターで、愛、自由、政治的なメッセージなどさまざまなテーマを歌詞と音楽を通じて表現し、よりアーティスティックな一面が見えるアルバムになっています。
サウンド面はラテンの影響を受けた楽曲が並び、さらには実験的でもあるため、過去作品と比べると盛り上がりに欠ける部分があるのは事実。しかしアルバムの世界観の奥行きが広く、聴けば聴くほどどんどんハマる。
個人的にオススメなのは「I Don't Search I Find」「God Control」「Faz Gostoso」「I Rise」。
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最後に
各アルバムごとにその時々の流行を取り入れ、カメレオンの如くサウンドやイメージを変化させていくマドンナ。今回マドンナの歴史をまとめてみましたがいかがでしたでしょうか。歴史と言ってもまだまだマドンナは第一線で活躍中。今後も新たなマドンナ見れること間違いなし。このマドンナの活動をリアルタイムで見ることができることはとってもラッキーなことだと思います。まだまだ今後に目が離せません。
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そこでこのブログで私がオススメしたい音楽をシーン別にしっくりくる形で紹介しよう!と思い立ったわけです。どんな時に聞いてたっけ、こんな時聞いてるなとか自分を振り返りながら厳選して紹介させていただくのでよかったら他の記事も見てくださいね!
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— Doll House Music Blog (@DHmusicblog) October 25, 2023
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